2024/03/02
慢性心窩部痛、吐血、若年男性、非ステロイド性抗炎症薬は
胃潰瘍、十二指腸潰瘍のリスクファクターとなる。
上腹部痛、タール便(黒い便)があるケースが多い。
そういった腹痛や便があると上部消化管出血が疑われる。
また出血による循環血液量の減少や貧血による症状、吐血が考えられる。
また循環血液量減少により頻脈、血圧低下、乏尿、中心静脈圧低下がみられる。
そして貧血による眼瞼結膜蒼白が見られたりする。
すなわちそうした症状や検査結果の場合は胃潰瘍、十二指腸潰瘍の可能性が高い。
どちらも病院では上部消化管内視鏡検査により検査する。
どちらも原因として鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬、NSAIDs)内服や
ヘリコバクター・ピロリ感染がある。
鎮痛薬にはプロスタグランジン産生抑制作用があるため胃潰瘍になりやすい。
食後疼痛となると胃病変である。
一方食前だと十二指腸病変である。
胃酸分泌は高位部では低酸、幽門部では高酸である。
胃潰瘍では抗コリン薬のアトロピンが用いられやすい。
抗コリン薬には胃酸分泌抑制作用がある。
また胃潰瘍では損傷修復のための線維化が起こる。
副甲状腺機能亢進症による高カルシウム血症により
胃潰瘍が生じることもある。
ちなみに副甲状腺機能亢進症では口渇、多飲多尿、
全身倦怠感、尿路結石、脱力などの症状が現れる。
原因として原発性と二次性がある。
また十二指腸潰瘍・穿孔は汎発性腹膜炎の原因として最も多い。
そして十二指腸潰瘍の場合は腹膜刺激症状を呈し筋性防御を認める可能性が高い。
そして飲酒は原因に関与していない一方喫煙は原因に関与している
というのが特徴である。