認知症について

認知症の3大疾患としてアルツハイマー病、

レビー小体型認知症、脳血管性認知症がある。

中核症状として失行、失認、記憶障害、

実行機能障害、見当識障害がある。

副症状としてはせん妄などの精神症状、問題行動がある。

慢性硬膜下血種、ビタミンB12欠乏症、正常圧水頭症、

前頭側頭型認知症、進行性核上性麻痺、神経梅毒は

それぞれ認知症の原因疾患となる。

慢性硬膜下血種はアルコール多飲者に好発し、片麻痺などを

引き起こす。

正常圧水頭症は認知障害、歩行障害、尿失禁を3主徴とし、

脳室シャント術で症状が改善され、くも膜下出血の合併症として

有名である。

アルツハイマー型認知症では記憶障害は必発で

階段状に進行する。

進行すると全般性認知症、軽度人格崩壊がみられる。

夕暮れ症候群がみられる場合がある。

頭部単純MRIでは側脳室下角の拡大と

側頭葉の萎縮(海馬の萎縮)がみられる。

老人斑、神経原線維変化、大脳皮質と海馬での

神経細胞脱落がみられる。

老人斑はアミロイドβの蓄積であり、

生成にβ―セクレターゼ、γ―セクレターゼが

関係している。

神経原線維変化の主成分はリン酸化タウ蛋白である。

神経細胞脱落では神経伝達物質のアセチルコリン減少が起こる。

パーキンソン病やレビー小体型認知症では

レビー小体がみられ、蓄積蛋白はα―シヌクレインである。

また2つの病気ともMIBG心筋シンチグラフィーでの

取り込み低下が見られる。

前頭側頭型認知症ではPick球がみられ、

蓄積蛋白はタウ蛋白、TDP-43である。

人格変化が特徴の認知症である。

前頭側頭型認知症の代表的な病気であるPick病は

重度の人格崩壊、滞続言語(同じ言葉を繰り返す)が

みられる。

レビー小体型認知症では、幻視、REM睡眠行動異常、

歩行障害(パーキンソン症状)、抗精神病薬への感受性亢進、

症状の変動、認知症状が

みられる。

脳血管性認知症では階段状に増悪、動揺、

突発的な発症(脳血管性の病気の後急に)、

情動失禁(ちいさなことで怒ったり泣いたりする)、

まだら認知症(正常な認知機能と認知症による機能低下の混在)、

人格保持がみられる。